水泳

水泳でタイムを縮めるための筋トレメニュー|動画で学ぼう!

なぜタイムが縮まらないのだろう。

毎日何時間も練習しているのに、水泳の記録が伸びない。
筋力が弱いから、筋トレをやるように指導されたけど、何をしたらいいのかわからない。

そんなスイマーは多いのではないでしょうか。

この記事では、スイマーのための筋トレをわかりやすく、動画も紹介しながら解説します。

水泳でベストタイムを更新したい人は参考にしてください。

なお、この記事で紹介する筋トレメニューは、多くの水泳関連書籍を参考にしています。

また著者自身も大人になってから、3年以上週2~3回泳ぎ、有名スイミングスクールでコーチからアドバイスをもらっていた経験があります。

そして鍼灸師・整体師として人体の解剖学を熟知しており、水泳動作に適した筋トレメニューを解説できます。

できるだけ自宅でも取り組みやすい筋トレを紹介していきますので、ぜひ、挑戦してみて下さい。

水泳で1番重要な筋トレは体幹トレーニング

まず水泳が速くなるためには、強く安定した体幹が必要です。

体幹にも様々な定義があります。

ここでは、医学書などに記載されている部位を体幹とします。

体幹とは

腹横筋、骨盤底筋、多裂筋、横隔膜で囲まれた部分を言います。

ほとんどの人が「どこの筋肉だ?」と思ってしまいますよね。

以下、1番重要な「腹横筋」についてわかりやすい動画を見つけたので載せておきます。

水泳では主に、「腹横筋」を鍛えていきます。

体幹を鍛える筋トレ

正しい「ストリームライン」を作るためのトレーニング、「ドローイン」

地味なトレーニングで何をやっているのかわかりずらいですよね。

しかし、この腹横筋を使えるようにする「ドローイン」は、スイマーにとって超重要です。

泳ぐ前にもやることで、体幹が安定しやすくなります。

腹横筋を意識して、全身の負荷を高めたトレーニング「フロントブリッジ」


30秒×2セット

腹横筋で腹圧を入れた状態を保ち、姿勢を安定させる「片手片足プランク」

30秒×2セット

腹圧を高め、体幹を強化しながら、キャッチポジションを確認する「ローラー腹筋」

10回×2セット

ギリギリまで腕を前へ伸ばしていきます。

そこがクロールでの腕のキャッチポジションです。

なぜ水泳では体幹の筋トレが重要なのか

まず、体幹が安定しないと、ストロークやキックのたびに、体幹がグラついて速く泳げません。

そして腹横筋が使えてないと、腹圧が高められず下半身が沈んだフォームとなります。

結果腕や脚で大きなパワーを発揮できないだけでなく、水の抵抗も大きくなります。

腹圧によるスイムの姿勢への影響をわかりやすく解説している動画です↓

腹横筋は普段のトレーニングではなかなか意識できません。

筋トレで腹圧を高めて、腹横筋が使えるように訓練していきましょう。

体幹が安定すれば、理想的なストリームラインに近づくため、水の抵抗も減り、スピードアップに繋がります。

水泳の推進力を高める筋トレ

スピードを上げるためには、プルでのパワーを高める必要があります。

その際、最も重要となる筋肉は、広背筋です。

また力強いキャッチ動作には、大胸筋上部を鍛えると効果的です。

広背筋、大胸筋の筋トレにプラスして、腕の筋トレをやっていきましょう。

広背筋を鍛えるのにおすすめな「懸垂」

最も効果的に広背筋を鍛えられるのが懸垂です。

トップ競泳選手も懸垂で鍛えているので、挑戦してみましょう。

懸垂できる場所がないなら「テーブルロウ」

しっかりと肩甲骨を寄せることで背中の筋肉をしっかり鍛えられます。

 

肩甲骨がうまく動かないなら「チューブトレーニング」

 

ダンベルがあるなら「ベントオーバーリバースフライ」

ダンベルがない場合は、2リットルのペットボトルを代用しましょう。

しっかりと水を捉えて体を乗せるための大胸筋上部は「デクラインプッシュアップ」

ストロークのプッシュ動作を強化する腕の筋トレ

水泳では広背筋が重要な理由

水泳のストロークでは出来るだけ大きな筋肉を使うことで、パワーを発揮する事ができます。

反対に広背筋が弱いと、腕の筋肉に頼ったストロークなり、速く泳ぐ事ができません。

泳いでいてすぐに腕や肩まわりがパンパンになってしまう人は、チューブトレーニングで広背筋をうまく使えるようにしていきましょう。

ちなみに泳いでいる時に広背筋を上手く使うコツは、「肘を立てる」ことです。

これはよく水泳コーチに言われているかもしれませんね。

「肘を立てる」と広背筋が使え、「肘が下がる」と三角筋や上腕三頭筋で水を掻くことになります。

以上の事から、水泳が速くなるには広背筋が重要ですので、パワー不足を感じているなら鍛えていきましょう。

水泳と筋トレの順番

水泳の練習を先に行うことをおすすめします。

なぜなら水泳は技術、テクニックの習得が1番の目的です。

ですので筋肉が疲れてない状態で練習する方が効果的です。

筋トレで筋肉が疲れた状態で泳ぐと、正しい動作でストロークやキックが出来ず、間違った泳ぎが体に染みついてしまいます。

もちろんアップなどで行う強度の低い筋トレは問題ありません。

むしろ体幹の筋肉は疲れにくいので、ドローインなどの体幹トレーニングは水泳前がおすすめです。

水泳練習や筋トレの順番は

水泳練習がある日

体幹トレーニング→水泳練習→広背筋・大胸筋の筋トレ→腕の筋トレ

水泳練習がない日

広背筋・大胸筋→腕の筋トレ→体幹トレーニング

筋トレの日の目的は、パワーをつけることです。

そのため一番パワーを発揮できる大きな筋肉を先に鍛えていきます。

体幹の筋肉は疲れにくいので、筋トレの最後に行いましょう。

重要なことは、その日のトレーニングの目的をはっきりさせることです。

テクニックの習得か?パワーを高めたいのか?

それによって水泳と筋トレの順番は変わります。

水泳に筋トレ不要論

水泳に筋トレは必要ない。筋肉が大きくなると重くなる。

そんな意見もよく聞きますよね。

しかし世界的な水泳コーチである、「E・W・マグリシオ」は次のように言っています。

「選手はシーズン初期では全体的なウェイトトレーニング行い、筋肥大を目的としたトレーニングを実施すべきである。そして、シーズン後期では神経系を刺激することによって、シーズン初期に鍛えた筋をうまく使い、ストロークを模倣したトレーニングを陸上と水中で行うべきである」

つまり、「筋肉を大きくする筋トレ」と「水泳動作に合わせた陸上トレーニング」を推奨しています。

筋肥大や筋力アップを目的とした筋トレをやる場合、懸垂は上半身全体を鍛えることができ、良いトレーニング方法と言えるでしょう。

水泳動作に合わせた陸上トレーニング(ストロークを模倣したトレーニング)はチューブトレーングがおすすめです。

詳しくはこちらの記事で↓

『水泳でしっかり水がかけるようになる陸上トレーニング・チューブトレーニング

また元・自由形日本記録保持者、佐藤久佳コーチに筋トレに関する質問をしたところ、次のようなアドバイスをいただきました。

ウェイトトレーニング、フィジカルトレーニングに関しては競泳選手の場合は2日~3日に1回くらいのペースで行っている選手が多い。

懸垂のトレーニングは広背筋の強化になり、泳ぎにも活かされるので必要

佐藤久佳コーチへの質問に関してはこちら↓

筋トレをすればどれくらい速くなるのか

「E・W・マグリシオ」によると

「研究ではパワフルな選手は、速く泳げることを立証している」

「ウエートトレーニング後、50mにつき0.04~0.08m/sec速くなるという報告がなされている。これは50mを泳ぐ時間にすると0.5~1.0秒の短縮になる」

引用「スイミング・イーブン・ファースター」

このように筋トレで泳力が高まるという研究結果は多くあるようです。

水泳の記録が伸び悩んでいるなら、体幹や広背筋の筋トレに取り組んでみて下さい。

参考にしたい水泳DVD

今回紹介した筋トレ以外にも様々な陸上トレーニングがあります。

本気でベストタイムを更新したいスイマーは「水泳ドライランドトレーニング~ケガをしないで速く泳げる身体の作り方~ 【日本体育大学 水泳部コーチ藤森善弘 監修】」を参考にしてみて下さい。