水分補給はどのよう行えばよいのか?
水分補給が大事だという事は、よく聞かせれてきた話ですが、
なぜ大事なのか?
どれくらい水分をとればいいのか?
レース中、トレーニング中水分補給を怠ったらどうなるのか?
僕の中学1年生の時は、練習中、水はあまり飲めませんでした。
飲むな、と言われていたわけではありませんが、なんとなく、先輩たちからの厳しい視線から、1年は水を飲んではいけない、という雰囲気になっていました。
自分と同じような学生時代の部活を過ごした経験がある方もいるのではないでしょうか。
そして、大人になった今でも
水なんて少しぐらい飲まなくても走り続けられる
水を飲まなければ、飲まなくても大丈夫な体に適応してくる
そして、忍耐力も強くなる
というような、勝手な思い込みをしていました。
でも、毎日最高のトレーニングや、レースをするために、
もっと出来ることはないか?知るべきことはないか?と思い、
水分補給について、しっかり勉強してみようと思いました。
少しでも、みなさんのトレーニングやレースの役に立てばと思います。
どれくらい水分補給すればいいのか?
まず、運動中の汗の発汗量は
トレーニングの強度や環境によって差はありますが
一般的には1時間あたり1~1.5ℓ、と言われています。
体重65kgぐらいの人の場合、体の水分の約2%を失う事になります。
オリンピックレベルのマラソン選手では、1時間あたり3.7ℓも汗をかくこともあるそです。
失う水分の量によって体にどのような影響があるかといいますと
水分を体重の2%損失すると、有酸素能力は低下します。
つまり、体重60kgの人では1.2kgの体重低下で、 水分を約1.2ℓ失うことにより
有酸素能力は低下することになります。
1時間のトレーニングで約1~1.5ℓの水分、発汗により失いますので、
1時間、水分補給をしないだけで、パフォーマンスは低下すると言えます。
これらの事から、トレーニングやレース中は、1時間に1ℓぐらいの水分補給を行う事が理想的だと考えられます。
水分補給を怠ると体はどうなるのか?
体重の2%の水分失うと有酸素能力が低下しますが、(体重60kgの人で1.2L)
具体的には、体の中でどのような影響があり、どのような症状が現れるのでしょか?
水分損失による体重の減少からみてみます。
体重減少 0~2%
症状:なし
生理的変化:体温上昇
体重減少 2~4%
症状:のどの渇き、不快症状、有酸素能力の低下
生理的変化:血液量低下、筋水分量低下、心臓の1回拍出量低下、皮膚や筋肉への血
流量低下、心拍数上昇
体重減少 4~6%
症状:20~30%持久力の低下、筋持久力の低下、無気力感、焦燥感、肌の紅潮
筋痙攣、熱による腹痛、吐き気、寒気
生理的変化:発汗量低下
体重減少 6~8%
症状:頭痛、めまい、口の渇き、脱力感、疲労感、胃腸障害、呼吸の不足
生理的変化:尿たんぱく増加、尿の酸性度上昇、腎臓への血流低下
体重減少 8~12%
症状:舌が腫れる、汗が出ない、尿が出ない、幻覚症状、足元がふらふらする
水分の損失により以上のような体の症状、変化が現れます。
上記でわかるように、体重の2%以上の水分を失わないと、のどの渇きを感じません。
そのため、のどが渇いたと感じた時には、すでに有酸素性能力は低下している事になります。
どのように水分補給を行えばいいのか?
・トレーニングやレースの2時間前に0.5Lの水を飲みます。
2時間前であれば、余った水分を尿にするまで、60~90分かかるため、
トイレに行く時間も余裕があります。
・トレーニングやレースの5~10分前に120ml~240ml以上の水分補給をします
・運動中は強制的に水分補給を行います。
理想は20分おきぐらいに、300ml以上の水分を補給することです。
・飲む水分の温度は、15~22℃ぐらいが良いといわれています。
・トレーニングや、レース後、体重を測り、体重が1kg減少したら、1Lの水分
の補給が必要であった、ということになります。
まとめ
自分の経験を振り返ってみて
佐渡のトライアスロン大会に参加した時、胃腸障害や吐き気により、水分を摂ることが出来ず、めまいや頭痛、唇や舌のしびれ感などの症状を経験しました。
競技中前半の水分補給に気を使っていなかったように思えます。